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松永 剛; 武智 学; 相羽 信行; 栗田 源一; 坂本 宜照; 小出 芳彦; 諫山 明彦; 鈴木 隆博; 藤田 隆明; 大山 直幸; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 4, p.051_1 - 051_7, 2009/11
将来の核融合炉において、経済性の高い高核融合出力を得るためには高圧力プラズマを定常に維持する必要がある。しかしながらこのようなプラズマでは、抵抗性壁モード(RWM)が発生し到達値を制限すると危惧されている。一方、このモードの安定化にプラズマ回転が重要であることが理論的に予想されている。JT-60ではプラズマ回転を制御することで、RWMの安定化に必要なプラズマ回転の閾値を実験的に明らかにした。この実験により、この閾値が従来の予測値の約15%程度であることがわかり、また閾値の依存性が小さいことから、理想壁限界値まで値を到達可能なことが明らかとなった。本論文では、JT-60において実施されたプラズマ回転によるRWM安定化実験の詳細及び、線形MHD安定性コード(MARG2D)の結果との比較などについて報告する。
藤本 加代子; 仲野 友英; 久保 博孝; 澤田 圭司*; 滝塚 知典; 川島 寿人; 清水 勝宏; 朝倉 伸幸
Plasma and Fusion Research (Internet), 4, p.025_1 - 025_7, 2009/08
体積再結合はダイバータ板への熱流速及び粒子束の減少に重要な役割を果たすため、非接触ダイバータプラズマにおける体積再結合の役割を解明することは、ITERや定常炉に向けた最重要研究課題のひとつである。本研究では、非接触ダイバータプラズマを2次元で計測することにより、電離及び再結合領域の空間構造を明らかにした。また、重水素バルマー系列線の発光強度を衝突放射モデルを用いて計算した発光強度と比較して、電子温度,電子密度及び原子密度を決定した。Lモードプラズマの非接触ダイバータプラズマを、約1cmの空間分解能で、2方向から92視線(縦60視線,横32視線)で分光計測した。分光器は350800nmの観測波長帯域を持ち、全バルマー系列線を同時に測定することができる。内側非接触ダイバータプラズマでは内側ストライク点上部の広い領域に再結合領域が存在し、外側ダイバータ板に沿って電離領域が存在することがわかった。また、両側非接触ダイバータプラズマでは内側ストライク点上部の狭い領域と外側ストライク点近傍に再結合領域が存在することを明らかにした。
落合 謙太郎; 飯田 浩正; 佐藤 聡; 高倉 耕祐; 今野 力
プラズマ・核融合学会誌, 84(9), p.594 - 599, 2008/09
本格的なDT核燃焼実験を行うITERは真空容器に大口径の加熱ポートや計測ポート等の開口部を有しており、中性子ストリーミングによる超伝導コイルの核発熱や作業被曝線量評価が遮蔽設計の重要課題である。遮蔽設計の計算精度は、使用する核反応データベース(核データライブラリ)の精度,計算コードで用いられている手法の近似度並びに遮蔽対象をどれくらい正確にモデル化しているかによって決まる。また遮蔽設計の計算精度は計算だけで評価することはできず、適切なベンチマーク実験を実施してその計算精度を検証する必要がある。原子力機構の核融合中性子源施設FNSでは、ITER工学設計活動の一環で、ITERの遮蔽ブランケット,種々のポートを対象に、ストリーミング実験を実施し、ITERの遮蔽設計の計算精度評価を詳細に行ってきた。また最近ではITER移行措置活動の一環として、DT中性子照射によるポートプラグ周辺のギャップ模擬体系による中性子ストリーミング実験を実施し、モンテカルロ法及びSn法による計算値との比較検証を進めている。特にSn法に関してはITER核設計でもその使用が検討されている3次元解析コードAttilaによる計算結果との比較検証も行っている。本発表ではこれまでFNSで実施したITERストリーミング実験結果を中心に、現在のITER遮蔽設計とその計算技術の現状と今後の展望について報告する。
石井 康友; Smolyakov, A. I.*
Plasma and Fusion Research (Internet), 3, p.048_1 - 048_7, 2008/08
本研究では、回転プラズマ中に外部揺動により駆動される磁気島の発生と成長に関して、非線形電磁流体(MHD)シミュレーションにより得られた新たな知見を、プラズマ・核融合学会において招待講演として発表する。本研究により、高温プラズマに対応するプラズマパラメータ領域では、外部駆動磁気島の急激な成長を引き起こす過程が、これまでの理論モデルとは異なることを明らかにした。また、非線形段階に新たな成長領域が存在することを発見した。このような外部駆動磁気島は、トカマクプラズマの性能劣化を引き起こす重要な機構の1つとして重要な研究課題となっている。これまでの研究では、磁気島が剛体として運動すると仮定していた。しかしながら、高温プラズマに対応する低抵抗性プラズマパラメータでの非線形シミュレーションを行ったところ、磁気島は剛体ではなく特異な形状変形を引き起こすことが明らかになった。また、このような特異な形状変形が2次的磁気再結合を引き起こすことを明らかにした。
鎌田 正輝; 花田 磨砂也; 小林 薫; 池田 佳隆; Grisham, L. R.*; Jiang, W.*
no journal, ,
JT-60U負イオン源は、大面積多孔電極を用いた3段静電加速器によって22A(13mA/cm)のD-ビームを500keVまで加速するように設計されている。多孔電極を用いた場合、ビームレット自身の空間電荷の間に斥力が働き、周辺部ビームレットが外側に偏向する問題がある。この対策として、JT-60U負イオン源では、引出電極に電界補正板(以下、FSP)を装着している。しかしながら、最近、このFSPが最適化されておらず、周辺ビームレットが内側に偏向され過ぎて、その一部が接地電極に直接衝突して電極熱負荷を増加させていることがわかった。そこで、FSPの最適化のために、周辺部ビームレットの偏向角度のFSP形状(高さ及び電極孔からの距離)依存性を実験的に調べた。実験結果はビーム軌道計算によって定量的に説明できたため、ビーム軌道計算によって電界補正板の最適化を進めた。その結果、長パルスNB入射実験(目標30秒)で予定している加速電圧350kVにおいて、ビームレットが電極孔を通過するとともに、NBIポート位置で十分な集束を得られるFSP形状を見いだし、NB30秒入射の実現の見通しがついた。
梶原 健; 春日井 敦; 高橋 幸司; 小林 則幸; 坂本 慶司
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、ITERで計画されている20MW電子サイクロトロン加熱/電流駆動装置の高周波源として、1MW-170GHzジャイロトロンの開発を行っている。これまでの開発において、1MWにおいて総合効率55%-800秒を達成しITERの目標値を上回る高効率での長パルス動作に成功した。また、0.6MW出力では1時間の連続発振試験(出力エネルギー: 2.15GJ)も実証した。これまでの運転における積算出力エネルギーは100GJを超えているが、現在までのところ出力性能の劣化等は見られていない。本発表ではこれら長パルス発振試験時の安定性等を議論する。また、ジャイロトロン実験系各部における測定電力と入力エネルギーの比較も行う。
小林 貴之; 森山 伸一; 横倉 賢治; 長谷川 浩一; 鈴木 貞明; 平内 慎一; 佐藤 文明; 鈴木 高志; 藤井 常幸
no journal, ,
JT-60SAのECH/ECCD装置では、既存の4系統の110GHz伝送系を、排気・冷却能力を増強してJT-60SAに再利用して、2か所のトカマク斜め上ポート(2系統ごと)に接続し、新設する5系統の140GHz伝送系も同様に2か所のトカマク斜め上ポート(2/3系統ごと)に接続する。各ポートに設置するアンテナ方式について、従来方式の回転ミラーアンテナ及び冷却機構が単純な直線駆動型アンテナが提案され、構造の検討及び性能評価を行っている。直線駆動型では曲面鏡の曲率により実現可能なポロイダル入射角度とビーム径が変化することが予測される。今回電磁界コードを用いて共鳴層におけるビームプロファイルを計算し、伝送効率のポロイダル入射角度依存性と、プラズマ中心におけるビーム径を、複数の曲面鏡曲率(R)に対して評価した。その結果、JT-60SAで想定されるポロイダル入射角度の全領域を直線駆動方式で制御するにはR=700mm程度以下が要求されること,入射角度を上半分とした場合はR=1000mmで入射可能であることがわかった。また、曲率が小さいとき、ポロイダル方向にビームが広がる特性がみられた。
森山 伸一; 小林 貴之; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; 五十嵐 浩一; et al.
no journal, ,
JT-60SA電子サイクロトロン周波数帯(ECRF)加熱電流駆動装置の設計を進めており、現状の入射電力約3MW,5秒(110GHz,4系統)のJT-60U用ECRF装置を改造し、7MW,100秒(110GHz4系統,140GHz5系統)に増力する計画である。ジャイロトロン開発では、絶縁円筒をアルミナから窒化珪素に変更し、モード変換損失高周波等による発熱を抑え、1.5MW,1秒間の発振に成功した。1ms級では2MWの原理検証試験がロシアと欧州で行われているが、核融合実験の実用パルス幅である0.1秒以上ではJT-60Uのジャイロトロンが従来から世界をリード(1.3MW)しており、今回の発振パワー1.5MWは当初定格及び欧米の競合管の記録の約1.5倍となった。冷却水温度から推定して絶縁円筒温度は低く維持されていると見られ、キャビティ温度は冷却水沸騰温度に到達せずに、パルス幅より短い0.7秒程度で飽和した。一方、飽和に5から10秒を要するコレクタ温度はパルス幅3秒程度で冷却水が沸騰に至る可能性を示した。さらに1MWで100秒連続発振を目指して、モード変換器の効率改善の改良を実施中である。
近藤 貴; 笹尾 真実子*; 榊田 創*; 尾崎 哲*; 落合 謙太郎
no journal, ,
燃焼プラズマの物理過程の解明と制御には、閉じ込められたアルファ粒子のエネルギー分布と密度分布を計測する必要がある。国際トカマク物理活動(ITPA)等の物理専門家グループでは、計測方法や求められる計測精度について議論し、閉じ込められた粒子計測を、「性能評価と物理解明のための計測」として分類し、要求するパラメータ領域と精度を定めた。燃焼プラズマ研究において不可欠な、閉じ込められた粒子の計測法実現には多くの課題が残されおり、日本とEUを中心に計測法の開発研究が精力的に進められている。科研費特定領域「プラズマ燃焼のための先進計測」では、粒子の密度分布とエネルギー分布を測定する手法として、高エネルギービーム荷電交換法による粒子計測と協同トムソン散乱による粒子計測に注目し、計画研究として開発研究を推進している。また、線計測による測定の可能性についての検討も実施している。これらの開発状況と課題について述べる。
小川 宏明; 杉江 達夫; 河西 敏*; 勝沼 淳*; 原 玲丞*; 武山 芸英*
no journal, ,
ITERダイバータ不純物モニターは、ダイバータ部における不純物、重水素及びトリチウムのスペクトル線の分布を測定し、不純物制御及びダイバータプラズマ制御に使用するデータを提供するための計測装置である。現在、光学機器の機械設計と試作試験を実施している。機械設計では、二重の真空窓を迷路構造とするために使用するミラーの光軸調整機構付きホルダーの設計を行った。このミラー及びホルダーは、高温,高真空,高磁場中に設置される。そのため、ホルダーの回転軸にジルコニウム製の滑り軸受けを使用し、アクチュエーターとして超音波モーターを使用する設計とした。さらに真空境界には溶接により真空封じするように改造した直線導入端子を使用した。このような部品を使用して、当初の目標値である俯角/仰角とも設定値から最大5,最小回転角0.01の範囲で調整できるホルダーを設計することができた。試作・試験では、集光光学系に使用する予定の石英製のマイクロレンズアレイをプレス加工で試作し、結像特性及び表面粗さを測定した。その結果、加工に使用する金型を切削加工で製作後、表面を研磨することにより、使用可能なマイクロレンズアレイを製作できることを確認した。
春日井 敦; 坂本 慶司; 高橋 幸司; 梶原 健; 池田 幸治; 小守 慎司; 小林 則幸; 假家 強*; 南 龍太郎*; 満仲 義加*
no journal, ,
ITERでは170GHzジャイロトロンを用いて、400秒以上の電子サイクロトロン加熱・電流駆動、不安定性の制御等を行うことが計画されている。日本をはじめ、EU,ロシアがITER用ジャイロトロンの開発を積極的に進めてきた。その開発目標値は、周波数170GHz,出力1MW以上,パルス幅500秒以上,効率50%以上であった。原子力機構ではこれまでに開発した革新的技術に加え、内蔵するモード変換器等の最適化,ビーム電流の減少の抑制,発振用電子ビームの質の向上などにより、1時間の定常動作に成功した。さらに、エネルギー源となる回転電子ビームの回転周波数と回転比を発振中に制御することにより、発振が容易な従来の運転領域から、一旦発振できれば高い発振効率が得られると理論的に予測されていた難発振領域に安定に移行させることに世界で初めて成功した。その結果、高出力、高効率での長時間運転が可能となり、ITER用ジャイロトロンの性能目標値を大きく上回る、出力1MWで、効率55%の連続出力ジャイロトロンの開発に成功した。この成果により、平成19年度のプラズマ・核融合学会賞を受賞することとなった。本件はその受賞記念講演に関するものである。
梶田 信; 波多江 仰紀
no journal, ,
ITER周辺トムソン散乱計測では、広い温度・密度領域を網羅する計測システムを構築する必要がある。本研究においては、ITERの周辺トムソン散乱計測に用いる分光器(ポリクロメーター)の設計検討結果を報告する。干渉フィルターを用いたポリクロメーターはYAGレーザーを用いたトムソン散乱計測に広く用いられており、ITER周辺トムソン散乱計測においても同様の手法を用いる。ポリクロメーターの設計検討においては、フィルターの数と波長分割領域の決定が重要になる。制動輻射による高いバックグランド光によるノイズを考慮し、計測誤差評価を行った。その結果、フィルター枚数が増加するに従い計測誤差は小さくなるものの、フィルター枚数が6-7枚程度以上では誤差の大きさはほとんど変化しないことから、ポリクロメーターは6-7枚程度のフィルターを用いた構造が実用上妥当だと考えられる。
山口 太樹; 河野 康則; 藤枝 浩文; 栗原 研一; 杉原 正芳*; 草間 義紀
no journal, ,
近年、トカマクプラズマの電磁流体力学的(MHD)安定性や閉じ込めの研究においては、安全係数分布の同定及び制御を行うことが重要となっている。国際熱核融合実験炉(ITER)においても、プラズマ中心部における安全係数分布の計測のためにポロイダル偏光計側装置が設置される予定である。これまで、十分な精度で安全係数分布を同定するためのポロイダル偏光計側装置のレーザ視線配置について、幾つかの知見は得られているものの、具体的な視線配置や定量的な精度については明らかになっていない。本研究では、平衡再構築コードによる安全係数分布の同定精度の評価をもとに、最適な視線配置を得ることを目的としている。ポロイダル偏光計側装置の測定データに強く依存する平衡再構築コードを開発し、これを用いてITER運転シナリオの平衡再構築を行った。上部ポート視線をプラズマ周辺領域に配置するなどの最適化を行った結果、正磁気シアプラズマ,負磁気シアプラズマ及びリミタープラズマといった代表的なITER運転シナリオに対して、良好な精度(6%)が見込まれる視線配置を得た。
佐々木 明
no journal, ,
リソグラフィ用EUV光源には出力180W,光源サイズ(エタンデュ)1-3mm str以下という厳しい要求が課せられ、プラズマ条件の最適化による高効率化,高出力化が重要な課題と考えられるようになった。本研究では、Hullac, GRASPなどの計算コードを用いた理論計算によって、エネルギー準位,電子衝突や輻射による電離・励起過程の原子データの理論的に求め、Snイオンの構造とその中のどのような遷移線がEUV発光に寄与するかを明らかにし、プラズマの原子過程モデルを構築した。実験との比較による発光線波長の精度の改良,発光に寄与するサテライトチャネルの同定を行い、輻射輸送係数を決定し、レーザー生成プラズマの流体シミュレーションを行った。その際、輻射輸送係数に対する、プラズマの各場所での光励起の影響を考慮することで、実験スペクトル,効率を再現できるようになった。本研究の成果はUVからX線領域の光源や、実験室や天体プラズマのモデリングに応用できると考えられる。
横倉 賢治; 森山 伸一; 小林 貴之; 長谷川 浩一; 鈴木 貞明; 平内 慎一; 佐藤 文明; 鈴木 高志; 藤井 常幸
no journal, ,
JT-60U高周波加熱装置では、発振管の調整やプラズマへの加熱入力評価に欠かせない電力計測手法の開発を進めている。本電力測定装置は、導波管内を伝搬するRFを導波管に挿入した誘電体に透過させ、誘電体で損失するRFエネルギーから透過電力を求めようとするものである。ジャイロトロンで発振したミリ波は、整合器でHE11モードに変換され導波管を伝送する。そのため挿入した誘電体は導波管中心部が最も高温になる発熱分布となることから、局所加熱にも強い誘電体であること、そしてその測定する電力の大小や時間に対して、RF損失と発熱が最適である検出素子を選択して用いることが重要になる。本講演では、装置の基本構造と計測手法を示すとともに、大電力ミリ波検出素子として誘電体6種(高純度CVDダイヤモンド,グレードの異なるダイヤモンド, シリコン, サファイア, 単結晶炭化珪素, 窒化珪素)について発熱分布と耐電力性能を計算によって評価し、用途に応じた最適な検出素子材料の選択を試みた。また、高抵抗シリコンを用いた低電力測定とJT-60ジャイロトロンを発振源とした大電力ミリ波による発熱測定と透過性の評価について報告する。
高橋 幸司; 梶原 健; 小林 則幸; 春日井 敦; 坂本 慶司
no journal, ,
ITER仕様とほぼ同等の内径63.5mmコルゲート導波管,6個のマイターベンド,導波管切替器,ゲートバルブにより構築した全長約40mの170GHz伝送系において、96%という高効率伝送と0.5MW-1000秒の大電力伝送を実証した。また、伝送時のマイターベンド前後及びその間の導波管で高次モード発生に起因すると考えられる顕著な温度上昇を観測した。この温度上昇から損失を評価すると理論値より2%程大きいことから伝送系に結合するとき生ずる可能性のある高次モード変換やダミーロードからの反射の影響等が考えられる。また、0.5MW-1000秒の最大導波管温度は130Cを超え、ITERでは導波管の強制冷却が必要であることも判明した。
石川 正男; 近藤 貴; 西谷 健夫; 草間 義紀
no journal, ,
ITERでは真空容器内に設置されるマイクロフィッションチャンバー(MFC)を用いて、全中性子発生量及び核融合出力の評価を行う。広範囲の運転条件(核融合出力1GW)でITERの計測要求(1msサンプリングで10%以下の精度)を満たすために、高出力運転用(計測範囲:核融合出力100kW-1GW)及び低出力運転用(同1kW-100kW)の二種類のMFCを組合せて計測することを検討した。この度、MFCと同様に真空容器内に配線される電力供給・信号出力用2重同軸MIケーブルに対して、真空容器内に設置される他の機器との干渉を避ける配線ルートを設計した。また、MIケーブルには14.6気圧のアルゴンガスが封入されているが、アルゴンガスの真空容器内へのリークを防ぐために、配線に際してはMIケーブルを外管で包む二重配管を採用した。さらに、MIケーブルと外管の間に300mmごとに7mm厚の銅フランジを挿入し、また、真空容器との熱接触を確保することで、核発熱によって上昇するMIケーブルの最高温度を、軽水炉での運転温度である400Cよりも十分に低い340C以下に抑えることができる見通しを得た。
草間 義紀; 笹尾 真実子*
no journal, ,
ITERの建設が間もなく始まり、10数年後には燃焼プラズマ実験が開始されるという状況を踏まえ、シンポジウム「燃焼プラズマ実験における自己加熱の物理とアルファ粒子計測」において、燃焼プラズマの物理とアルファ粒子計測研究の現状を概観して、それらの今後の課題と研究の展望について議論する。高いQ値(ITERでは10以上)を持つ燃焼プラズマは、アルファ粒子による自己加熱の割合が高く、プラズマ自身の自立性が強い。ここでは、おもに、自己加熱にかかわる物理を議論する。アルファ粒子がかかわる他の側面は、その集団的現象で、アルファ粒子のベータ値が上昇した際に、「アルフェン固有モード」が不安定化する可能性がある。不安定化されると、このモードとの相互作用によりアルファ粒子が径方向に移動し、一部はプラズマから損失する。しかし、アルファ粒子の損失が自己加熱に及ぼす影響は小さいと考えられている。このような燃焼プラズマの研究では、アルファ粒子計測が不可欠である。アルファ粒子計測はこれまでにはなかった計測であり、アルファ粒子のエネルギーが大きいことなどから、アルファ粒子計測の開発自身も重要な研究対象である。
西山 友和; 岡野 文範; 三代 康彦; 佐藤 洋司; 本田 正男*; 逆井 章; 佐藤 正泰; 目黒 雅*; 田近 正春*
no journal, ,
JT-60では、超伝導トカマク装置に改造するJT-60SA計画が進められている。そのために、本体機器を主として解体・撤去する必要がある。本体機器の中心部である真空容器(VV)とポロイダル磁場コイル(PFC)は、既設の状態で9分割に切断して取り出した後、運搬するための処置を施し、機器収納棟に展示する計画である。切断部の形状,材料(VV: インコネル, PFC: 無酸素銅,一部ケース等に高マンガン鋼)や作業環境は、一様ではないため、それぞれの条件に合った切断工法を使い分けて切断効率と精度を高める必要がある。有力な切断方法としては、ダイヤモンドワイヤーソー,ダイヤモンドブレード,プラズマ切断がある。その中のワイヤーソーは、狭隘な場所の切断には、非常に有効であるが、金属材料の切断実績が少ない。よって、各材料の切断効率等を求める試験を実施している。インコネルは、比較的容易に切断できているが、銅,高マンガン鋼については、切断に時間を要している。銅の切断については、切断面積が大きく切断効率が作業工程に大きく影響するため、今後の課題である。本講演では、VVとPFCの切断で要求される条件とそれに対応する検討状況,切断試験結果等について報告する。
近藤 浩夫*; 金村 卓治*; 山岡 信夫*; 宮本 斉児*; 井田 瑞穂; 中村 博雄; 松下 出*; 室賀 健夫*; 堀池 寛*
no journal, ,
国際核融合材料照射施設(IFMIF)の液体リチウムターゲットは片側に自由表面を有する板状の高速噴流であり、重陽子ビームを入射した際の核反応により中性子を発生する。このリチウム流自由表面の安定性は安定な中性子場の形成に直接影響する。そこで、大阪大学の液体リチウム循環装置を用いて、IFMIF標準仕様と同等の流速15m/sまでの自由表面リチウム流を発生させ、直接接触式プローブにより自由表面の変動の測定に成功した。この手法は可動式プローブの先端とリチウムとの間の電気的接触/非接触状態の時系列信号からリチウム表面変動の波高や周波数を求めるものである。実験の結果、流速が15m/sに近づくにつれ、噴流の平均厚さは上流ノズルの開口寸法に漸近した。また、波高の出現頻度はレイリー分布によく一致し、有義波高は1.5mmであった。